Contiインタビュー(改訂版)2005/05/15(Sun)@新宿某所
フリーペーパー[どブダビ2]掲載 TEXT by 近藤チマメ


「火の鳥」みたいな曲が作りたい。音楽を使って、ああいう漫画を描きたい。

円盤田口さんに「CD作ったんで聴いてくださいよ!」と渡されたContiの1st「…OF'LOPIEN'」。シタールとドラムという編成からチルアウト民族音楽系の音を想像してた私に飛び込んできたのは、スピードとテンションがめくるめくポリリズム変拍子しかもnotインスト。思いっきり日本語が乗っかってながらこの跳ねたリズムったらすごい!とリリックに耳を傾けると、全5曲すべてのストーリーがひとつの物語としてつながってるという大長編ドラマ。歌詞カードを開くとそこには特別付録の表題ショートストーリーが物語の世界観をさらに浮き彫りに………。という、とにかく聴覚的にはもちろん、視覚的にも感覚的にも楽しめるという、その、想像力をかき立てる音楽の可能性と、自由な在り方にひどく感銘を受けた。つまり、まさに「音楽で漫画を書いてる」感覚。これまでインタビューで、「映画のような音楽を作りたい」という言葉は何度も聞いてきたけど、ここまで本格的に“描いてる”バンドは初めてで私は、まだまだまだまだ面白いことっていっぱいあるんだなぁってめっちゃテンション上がってめっちゃワクワクしたし、音楽を使ってこんな遊びができるってことはこの人たちは本当に音楽も漫画も大好きなんだろーなと思ってぜひ一度お話してみたいと思いましての会合。会合前に行ったボウリングのせいで、小林(Conti)×近藤(私)=インタビュー組と鹿島(Conti)×河奥(アブダビ)=しつこくボウリング組とに別れての取材となりました。鹿島氏登場後のConti即興漫才もこれまたおすすめ!(このふたりいっつもこんな感じ!)


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●Contiのふたりはめちゃくちゃ息合ってますねぇ。
koba え、息合ってるって、普段ってこと?
●そうそう。
koba あ〜、そうかもねぇ。
●もともと友達なんですか?
koba 違うんですよ。あの、初めて会ったのは、実は前のバンドで「アタタカキ」っていうバンドをやってて、で、相方が、「アシタカ」っていうバンドをやってて。で、ちょうど同じ時期に20000Vがブッキングをやってたんです。で、その前に、ていうかその前から遡っちゃうと(笑)、パニックスマイルの吉田さんていう人が、20000Vで働いてて。で、アタタカキがテープを持ってったときに、早川さんは「吉田くん、あんまり面白くないけど聴く?」って言って(笑)。
●わはははははは!
koba って言ってね(笑)。あの、前のバンドを吉田さんに渡したと。で、吉田さんが「いいじゃないですか!」って。で、そのときに吉田さんが、あの、アシタカとうちらをブッキングしてくれて。初めてあったのはそんとき。
●へぇ〜〜〜!
koba で、そのときは別にあんまり話はしてなくて。で、まぁそれから2〜3年ぐらい経って、プラズマイレブンってバンドがいるんですけど、そのバンドのレコーディングに、たまたま俺と相方が呼ばれて。で、そのときに、そのときにっていうかもう知ってたんだけど、あのボストンクルージングマニアの……
●あー!
koba カシマ兄弟がいて、その三男がいるっていう話は聞いてて。で、そのとき初めてまともに話して。「そっくりだな!」なんて話をしながら(笑)。
●はははははは。確かに(笑)。
koba で結局同い年だって話で、バンドの話もして、シタールとかやってて、なんかそのころ俺もいろんなことやりたいなぁって思ってたから「じゃあなんかふたりでやろうよ」って話をしてて。
●へぇ〜。
koba で、そのあとぐらいに、ロンルインズのライブがあって。で、そのロンルインズのライブをたまたまふたりが見てて、で、見終わったあと会場で俺が「じゃあさ、シタールとドラムでこんなようなことやんない?」って(笑)。
●あははははは!単純!(笑)
koba いや、なんかもともと俺がルインズが好きで。
●ああ〜。
koba で、ルインズの周辺の人のことも好きで。で、前やってたバンドではそれがあまり活かせてなくって、で、そういう方向性のものがやりたいっていうのが前々からあったから。でも基本的に俺はそういう意味では偏屈なんで、ベーシストとやってもつまんないしって。
●ああ、はい。
koba ねぇ?ルインズやってるし。ほかにもいくらでもいるし。で、そういうので漠然と思いがあったから、「シタールはいいんじゃない?」みたいな(笑)。
●あはははははは!そうなんだ!
koba うん(笑)。「シタールだったらちょっと無茶でいいんじゃない?」みたいな。基本的になんかさ、「有りもの」ってもうイメージがあって、他に参考になるようなバンドがあるものをやっても面白くないから。どうせやるんだった冒険がしたいから(笑)。
●うん。
koba で、シタールでドラムって、そのころは何にもイメージがなかったわけだから、「じゃあちょっとやるだけやってみようよ」ってスタジオ入って。でも完璧にドラムとシタールじゃ音の落差がありすぎるでしょう?で、そういう意味ではすっごい苦労して。俺は俺でバカバカ叩く方だから……俺も小さくね、そこで叩けばいいんだろうけど、そういうことがやりたかったんじゃないから。
●あああ〜。
koba 結成はまぁそんな感じで、それから1年間はずーっと練習をして。練習をしてたというか、方向性を決めてて。イメージを沸かせながらやったり。
●へぇ〜。私この1stを聴いたときにすっごい感銘を受けたんですよ。なんかあまりにちゃんとできてて。まず物語があって、それに沿った歌詞があって、で、アルバムの構成もそれに合わせてあったり。
koba はいはい。
●だから、「映画みたいな音楽を作りたい」とか「架空のサウンドトラックを作りたい」っていう人はこれまでたくさん会ってきたし見て来たけど、ここまで具体的なのはなかったなぁっていうかこれ、ほんと目で見る音楽じゃないですか。視覚からも聴覚からも楽しめる。
koba ああ〜。
●で、そのくせライブでは……さっきも「小さい音が出せない」って言ってたけど、なんかとりあえずどわー!って感じでライブをやってるから面白いなぁって。
koba あはははは。アホだよね。もうちょいお互いのこと考えろよって感じ(笑)。一切無視してるからね。音のデカさは(笑)。でもこのアルバムは基本的に思いつきだからね。
●あそうなんですか!?
koba あのねぇ、まぁこれ(1st)について解説するとすれば、逆だからすべてが。
●逆?
koba あの、多分普通に思うと、まずコンセプトがあって、それに対して物語があって、で、それに対して曲があって、っていうふうに思うでしょう?
●うん。
koba そうじゃなくって、まず曲がありきで。で曲を作る時点で、その中に自分は物語を吹き込むんだけど、で、その作り方もさらに逆だったりするのね。
●?
koba 例えば演奏から始めるとバンドっぽいでしょう?
●ああ、はい。
koba 違うの、歌詞から始めるからね(笑)。
●えええええええーーーー!!!!それはすごい!!!!
koba 実は。まぁでも、1stの中だったら1曲2曲ぐらいかなぁ。でも「リバウンド・チルドレン」って曲は完全に歌詞からできてて。
●へぇ〜。
koba 俺の曲の作り方としては、歌詞をまずバーッと書くの。リズムとか気にしないでまず書いてて。もちろん歌うことを前提に書くから、リズミックには書くんだけど、でも拍子は一切無視して書く。で、歌詞に拍子を…
●合わせていくんだ!?
koba そう。8拍子なら8拍子、で4拍子なら4拍子、って、それに歌詞を当てはめるんじゃなくって、詞にリズムがあるの。だからとりあえず歌ってみて、「あ、じゃあこの辺こういう感じだからここは5拍子だなぁ〜」って、まず数字を割りふって。で、それがある程度形になってきたら俺がシタールに「じゃあここのは俺が6で進むから、ここのユニゾンで行ってとか。
●へぇ〜!
koba 「こことここはちょっとループするから、6拍子で、ポリリズムで返してとか、そういう感じで作った。
●へぇ〜〜!
koba でもあとの曲は、演奏で、まぁ普通にセッションして作った曲ももちろんあるけど、でも方向性としては、歌詞からできる曲のほうが、いわゆる今Contiが言ってる「マンガ音楽」的な部分には近いかもっていう感じはする。
●へ〜マンガ音楽。やっぱり「マンガ音楽」っていうのは根底にあるんですか?
koba それは途中からなんだけど、まぁとにかく練習期間はお互い漠然とながらこう、1年間週1で練習に入ってて。で、まぁ俺は基本的に音で、音楽を使ってなにかを表現したい人間だから。だからなんか面白い使い方はないかなぁ?って。で、なんか漫画のコマ割りって、特に手塚漫画のコマ割りってかなり変拍子だなぁ〜っと思ってて。
●ああ〜!!!
koba でそれを、音楽におろしてきたというか。だから、前に近藤さんが書いてくれたけど、基本的に「マンガのような音楽をやる」とか、マンガを題材にして音楽作るっていうのは、やりたくなかったの。もう山ほどいるからそういうバンドは。わざわざ提示しないけどそういうバンドはいくらでもいるでしょ?だけどね、逆にあえてそれを提示したら?って。「マンガを書いてますよ!」っていうのは、もう言いたかった。そこまで言ってる人ってあんま見たことないし(笑)。「マンガから影響を受けてます」って云う人はけっこういても、「音楽でマンガを作ってますよ」「音楽でマンガを書いてますよ」って言っちゃうバンドはいないでしょ?
●うん。しかも私ここまで歌詞カードを熟読したのも久々だったんですよ。
koba はははは。それはうれしいわ(笑)。でもこれはねぇ、ほんと思いつきの産物なんだよねぇ(笑)。
●それはすごいなぁ〜。
koba あの、逆サウンドトラックだから。音楽に合った物語が、全部あれ独立してるんだよ。
●あ、そうですね。
koba それを5曲集めたところで、ひとつの物語にしてしまおうっていう作戦だったの(笑)。
●へ〜。それにしては物語ちゃんと完結してますねぇ。
koba つながってるよねぇ?うまくできたと思うよ(笑)。
●うん。やっぱ最終的にオチがあるからすげーなぁと思って。
koba うん、なんか結局さぁ、思ったのは機械と人間ね。で、ホラ例えば某漫画で「人間の心を持ったロボット」っているでしょ?で、それの逆の発想でさ、「人間がロボットの感覚を持ったらどうなるか?」っていうのをここに。なんか「ロボットが人間の心を持つ」っていうのはさ、それはあくまで人間からの提示でしょ?だけどそれはさ、漫画だからあり得るわけで、実際はあり得ない。で、例えばそれをね、逆の発想で、人間がロボットの状況……感情は人間のままだけど、身体が機械化していくっていう、まぁそれの根底には実は「999」の機械の身体を手に入れるっていう、ああいう発想とかも入ってるんだけど(笑)。
●はい(笑)。
koba でもそうなったらさ、自分がすごく、何をやるにも完璧でっていう状況になったら人間はどうなるかなぁ?っていう。そこの部分が、そこまで具体的には書かれてなかったんだけど、そうなってくると最終的にはさ、差がなくなってくるからね。人間てやっぱり差があるからいろいろなりたくなるんだし。で、そうしていくと、どうしても処分されないといけない人間も出てくるだろうし。
●ああ〜。
koba まぁオチを言っちゃう感じになってるんだけど(笑)。
●わははは!そうだった!
koba でもね、5曲の物語がいっこいっこ、よくねぇ、辻褄が合ったと思う。ひとつの物語として。
●物語の、ロボットと人間っていう構成はある程度はあったんですか?
koba うん、この中だとまぁタイトルにもなってる「ロピエン」っていう、あれが軸になってるんだけど、話の筋の。
●はい。
koba まぁわかりやすく言うと、この中では、まぁ1曲目は全体の伏線なんだよね。で2曲目っていうのは物語の中のテーマじゃないけど、ちょっとした一部分のテーマソングで、これはすごくトリビュート的なもので。で「ロピエン」これによって、なにかが起きますよっていう、エレメンツ。で、最後、これはもう場所だよね。「ここで行われてる出来事」って。やっぱり「ロピエン」を軸にしようと思ったときに、それがバーッと広がった感じ。この5曲で、ロピエンをテーマにするんだったら、こんな話かなぁって。
●ふぅ〜ん。
koba それを考えたときに、まず最初に浮かんだのが食料不足で、国が人間を機械化してしまいましょうっていう。まぁちょっとありそうな話でしょ?
●そうそうそう。それがめっちゃビビった。
koba 昔の人が考えた未来って感じじゃない?それがテーマなんだよね。昔の人が、2003年に……まぁなんで「2003 4 7」っていう曲かっていうと、まぁ2003年にアトムが生まれてるの。で、そこの時代に昔の人が……っていうか手塚先生がね、「この時代にはどうなってるか?」みたいなことを書いてたなぁと。
●ああ、はい。
koba で、そこをね、今の2003年と、昔に思ってた2003年とを、さらに複雑に絡めて、さらにそこのパラレルワールドみたいなものを、ここで書いたの。
●なるほど。だから、昔読んだ漫画とかっていうのをちょっと思い出すけど、でもそこで終わってる感じはしないですもんね。
koba うん。だから今やるんだったらやっぱり新しい……じゃないけど、新しい古いはそんなに気にしないけど、新しいものをやりたくてやってるわけじゃないから。ただね、そういう意味では結局、どっかに偏りたくはない性格なんで。なんかすごい中途半端な状況っていうのがすごい好きで。
●ふふふふ。
koba 俺ねぇ、中途半端っていうのを極めてったら面白いことになるんじゃないの?って思うんだよね。例えばContiがさ、どっか何か偏ってる見方ってできるわけでしょ?でもいろんな人が見ていろんな側面から見られるっていうのはいいんじゃないの?って。こないだも久々に言われたんだけど、「クラブ・テイストですね」って。まぁ確かにダンスビートみたいなのは取り入れてるし、そういうのは通ってきてるから、ヒップホップも通ってるし。ヒップホップがね、かなり重要!Contiの中で!
●ああ〜。そうなんですか!
koba やっぱりリズムの面白さがねぇ、そこはねぇ、完全にヒップホップから来てるから。
●そうですね、やっぱり音楽の進化ってリズムの進化だったりしますもんね。
koba そうだね。だから本当はねぇ、もっとヒップホップをものすごい変拍子でやりたいっていうのがあるんだけど、それがContiではなかなか具現化できない。もっとやりたいんだけどね、本当はね。
●うん。
koba で、言葉はやっぱドラムに引っ張られちゃってるから、歌自体がまだそこまで思ってるほど表現できない感じがあるのね。だからもっと本当は韻を踏んだりとか、とことんヒップホップに偏ってる曲も作りたいんだよな、俺。
●そもそもドラムだとリズム感ていうのは意識しなくても入ってきますよね?
koba そうだね。で、根本から話すと小学生のときにお囃子をやってて。
●そうなんですか!
koba うん。だから音楽っていうのがね、完全に俺そこなのね。それが本当に、常に基本にあるっていうか。
●へ〜。
koba お囃子がねぇ、ものすごい楽しくてしょうがなくって。で、小学校の間、3〜4年間だけどやってて、でもなんか音楽の根本はそこにあるね。リズムみたいなものに。
●うん。
koba 中学生のときギターを弾き始めたんだけど、布袋に憧れて(笑)。
●わははははは!ベタなね!(笑)
koba 長いよ!布袋の話させたら!(笑)
●ははははは。布袋はね、けっこうみんな好きですね(笑)。
koba やばいよ〜。人生においてねぇ、「布袋になりたい」が俺の人生だったから!当時!
●わはははははは!ヤな人生だ!(笑)
koba みんなね、「布袋みたいなギタリストになりたい」って言うでしょ?でも俺はね、布袋になりたかったのね。だからね、ギターを弾いてたんじゃなくってね、布袋を弾いてたの。
●それはまた斬新な(笑)。
koba で、中学生で洋楽を聞き出して、布袋を置いて。それでようやくギターを弾きだしたっていう。で、そうこうしてるうちに、友達に「ドラムやんない?」って言われて。で、それまでドラムやってなかったのが不思議なぐらいで、ずーっとドラムが好きだったから、「できる?」って言われて「あ、できるよー」って(笑)。
●じゃあ根本にお囃子があるっていうのはリズムの部分でだけですか?お囃子っていうとやっぱ祭りの雰囲気とかね、そういうのもあるし。
koba ああ〜。それもあると思うけど、でもやっぱりリズムなんだよね。お囃子のあの、独特のリズム。
●うん。
koba あれね、お囃子のリズムってすごい骨抜きするんだよね。で途中でうっかりするとさ、裏返ってたりするんだよ。それがちょっとミニマルテクノみたいでさ、そういう世界観もあって。でね、不思議なのはね、まぁ俺もお囃子についてそんなに詳しくないけど(笑)、お囃子ってね、すごい民族音楽じゃない?日本のね。
●はいはい。
koba だから、リズムがね、すごい気持ち悪いんだよね。あの、基本的に譜面に表さないじゃん?例えば「スケテンスクステステケンスク」とかやるじゃん。で、紙に、練習用に「スケテンスクステステケンスク」って書いてあるんだよ(笑)。
●へぇー!
koba でそれをね、歌いながら練習するの最初は。そうやって覚えるの。
●へー、面白い!
koba その感覚ってさぁ、なんちゅうんだろ、リズムをさぁ、間違えて覚えたまま、ずーっとそれをできるみたいな。間違えて覚えたリズムをずーっとループできる人ってけっこういるんだよね。いわゆる音楽として捉えてなくって、それだけをやるっていう。そこがね、すごい気持ち悪さがあって。例えばカラオケでね、いっつも同じところを間違えてるオヤジっているじゃん?
●(笑)はい。
koba そうやって覚えてるんだよね、完全に。で、その間違え方がさ、「なんだこのリズム!?」って。そういったところのさ、ちょっと間違ったリズムっていうか、譜面に表すことができないリズムっていう、そういうところにはすごい影響を受けてるね。まぁContiでそれが出せてるかって言ったらそれは謎だけど(笑)。でもリズムの面白さはそこにあった。
●で、1stアルバムより前に出したCDシングルに、「手塚作品というのはやっぱり素晴らしいから、それを語り継いでいきたい」みたいなことが書いてあるじゃないですか。それが音楽をやってる根本だったりするんですか?
koba うんあのね、そこだけじゃないけど。ただね、意思としては、やっぱり漫画が好きだから。漫画っていうか手塚漫画が好きだから、そこのエネルギーみたいなものを受け継いで……受け継いでっていうとまぁ大げさだけど。そういう部分を続けていきたいっていうか、表現していきたいっていう気持ちがあるの。で、前から言ってるんだけど、「火の鳥」みたいなね、曲が作りたい。ああいう音楽。音楽じゃないね。ああいう……漫画を音楽で書きたい。
●ああああああ。
koba だから結局あのエネルギーってさぁ、結局漫画だからできてるところもあるけども、でも音楽を使って、ああいう漫画が書きたい。あれってやっぱすごい漫画だもんね。
●すごい漫画ですよね。なんていうか、業とかだったりね。
koba そうそうそう、でもうさぁ、あれが世界だったりするじゃない。あそこにひとつの時代があったりするでしょう?
●うんうんうん、そうですね。
koba あれって結局ひとつのパラレルワールドでしょ。現代の。そこがすごいところでさ、やっぱね、今の人間にはね、想像力が足りないんだよ。例えば「空が青いなぁ」とか、「なんで青いんだろう?」って発想するじゃない?そう思ったときに、今だったら簡単に調べたりできるでしょう。でも昔はもっと想像してたじゃん。例えば地球は象の上にあるとかね(笑)。そんなのあくまで想像じゃん?でもその想像から出た奇抜な発想じゃないけどさ、そういうものって今あんまりなくなってる気がするからなぁ。まぁそういうのを持ってる人は持ってるんだろうけど。でもさ、そういう、想像力っていう部分をね、もっと表現できれば面白いなぁって思って。
●うん。
koba 好奇心から来る想像力だね。「なんでかなぁ?」みたいな。手塚先生が言うにはね、人間の唯一、すごくいいところは、想像ができるところだって。人間は想像ができるからいいんだよって。「いいんだよ」ってすごい漠然としてるけど(笑)。そういうことをゆっててさ、でも俺本当にそう思うのね。だから、要は、手塚漫画を伝えるわけじゃなくって、手塚漫画の持ってるエネルギーみたいなものを表現できたら面白いなぁって。
●なるほど。前に私が「世界を変えそうな人とか音楽が好きなので、Contiも大好きです」ってゆったときに、「世界を変えるってほどの意識はまだないけど、でも周りの友達の意識を変えられたらとは思う」っておっしゃってたじゃないですか。あれはそういう意味で?
koba そこを話しちゃうとさ、けっこう……いろいろ角が立つからってのがあるんだけど(笑)。そこまで別に情勢に詳しいわけじゃないし。でも漠然と思うこととしては、ひとりひとりが平和になれば、みんなが平和になるじゃん?わかりやすく簡単に言うけど(笑)。そういう感じだよね。実際さ、俺がそういうものを受けてきたように、そういうのを周りにも返したいっていうのはあるよ。例えば友達の見てるものだったりとかを「いいなぁ」って思ったりするでしょ。そういうのを自分も、周りの人に与えられたらいいじゃない?そうやって、そういうのが広がってくるから。あ、来た来た。
カシマ 俺100行った!すごくね?100行ったんだよ?(ボウリングのスコア)
koba 別にすごくねーよ!
●もうふたりの出会いから全部聞きましたよ。
カシマ あぁ、小学校3年生のときに、近所で。
koba はははは!そんな前かよ!(笑)
カシマ 俺話すことある?
koba 今んとこない。
●いや、あのねぇ、ありますよ聞きたいこと!(笑)
カシマ ボウリングはあんまりうまくないんで……
koba まぁそこはそこだな。
カシマ ボウリングと、ビリヤードはあんまりうまくないんで……
koba 他がうまいみたいな言い方してるじゃねーか!(笑)
カシマ あ、野球も……
koba 全般的にダメじゃねーか!(笑)
カシマ 俺はContiのアウトドア担当だから。いろんなところに行って、ネタを集めてる感じ。
koba それをMCでしゃべる担当。
カシマ 俺いまネタ帳持ってるからね!だってさぁもうさぁ、自分だけで考えてたらライブのときなにもしゃべることがなくなったから!ほら。
koba そういうの見せるもんじゃねーだろ!(笑)
●なんか住所とかも書いてあるんですけど(笑)。
カシマ 違うのいろんなことが書いてあるの!ほら、「平野レミのBGMが21世紀の精神異常者」。
●はははははは(笑)。
カシマ だってお前ふと見ると何もしてないときあるからね!「お前だよ!」っていうときあるからね!
koba 聞いてねーもん、だって。
アブダビ 全然ゆるんでないのにネジ直したりしてるよね(笑)。
●わははははははは!(笑)
koba 見てるなぁ〜(笑)。
カシマ 見てるねぇ〜(笑)。
koba あんときほんっきで何も考えてないからね(笑)。手持ち無沙汰で……(笑)。
カシマ ね。お前ダメだよね。
●ダメだよねって(笑)。
カシマ お前はダメだよ。
koba いいんだよ、ライブはね。あのね、シリアスなことはしたくないんだよ。
カシマ シリアスなことはしたくないね!
koba シリアスな音楽は、そういう人に全部任せるよ。
カシマ 任せるよ!
koba 日本人にはね、ユーモアが必要ですよ!
カシマ ひゃははははは。
アブダビ イヤなこと言ったぞまた(笑)。
カシマ これまた自分でハードル上げたからね!俺は言ってないから!
koba ハードル上げたって上げてねーよ別に!まぁね、楽しいほうがいいからね。
カシマ いや本当だよ楽しんでもらわないと意味ないから。
koba ね、だからかっこいいものを求めてる人はウチら見なくていいわけじゃん?
カシマ ひゃははははは。いやかっこいい……けどね(笑)。
koba いや、かっこいい……よね。
カシマ かっこいい!
koba 気取ってはないつもりだよね。
カシマ 気取ってできないよね。
アブダビ 気取ったらシタールとドラムでやらないもんね(笑)。
koba Contiを見てさぁ、「もっとああすることできるのに〜!」っていう人って絶対いると思うのね(笑)。
カシマ ベース入れてキーボード入れたほうがもっとよくなるのに!ってね。
koba 意味ないんだよ、それじゃ。だから、もうそれやったらある程度いい音楽になるわけじゃん?
カシマ わかってるよそんなことは!大前提だよ!
koba ね。いい音楽を作りたいんだったらそういう音楽を作るよ!でもそういう音楽を作りたいわけじゃないからさ。ね?かっこいい音楽を作りたいわけじゃなくって……とにかく無理しないで(笑)。
アブダビ 漫画とスポーツだからね。
koba そうそうそう!漫画とスポーツだから!(笑)その辺がねぇ、うまくかみ合ってると思うよ(笑)。


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てなワケで、Conti小林さんに選んでもらった手塚漫画五選/エネルギー編!
※ちなみに「火の鳥」「鉄腕アトム」他、殿堂入り作品は除く。

・空気の底/アイディアハミダシチャッテマス。
・奇子/会員制秘密クラブ「奇子」は今日も営業中。
・白骨船長/ラストに出てくる宇宙人に驚愕、卒倒。
・アポロの歌/セラピーか拷問か。寸止めプレイは繰り返される。
・サンダーマスク/敵がガス。
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